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仏教とライフスタイル和の心

(この記事は4月21日のNewsLetterを編集したものです)

今あるおうちでもっと解放感のある暮らし

MAIMYLIFESTYLELABO 吉野舞依子です。


先月私の祖母が亡くなり、これまでの事を思い起こしながら無事送り出しました。今回、色々感じたことがあるので、交えながら仏教とライフスタイルについてお話しようと思います。


会員に所属している統合医療実践講座の中に、仏教から見る生命、東洋思想、仏教の教え、心と体、量子力学の関係を学びましたが、今回の出来事はこれまでの学びと深くつながることも多くありました。


普段仏教の教えを聞く事はありませんが、仏教思想には森羅万象との関係性が深く、故人を偲ぶという事の中にはそうした考えを知る機会にもなるのではないかと思います。


森羅万象とは宇宙に存在するすべての事物や現象。 天地の間にある一切の事象。 「森羅」は、無数に連なって並んでいること。 あらゆる形や物事のことをいいます。


世の中のすべての現象というのは、空気、エネルギーなど目に見えないもがあり、量子力学的に言えば体をはじめ、物質は原子 さらに量子そして小さなニュートリノやクォークなど、暮らす世界とは異なる法則が働く粒子があることが科学的に解明されつつあり、医学の世界でも注目されつつあります。

実はこうした考えは、その昔、弘法大師の【声字実相義】にもあったのだそうで、つきつめていくと仏教の教えと健康が無関係ではないのだと感じさせてくれます。


仏教の歴史を紐解くと、仏教はインドでブッダが開いた後、538 年日本へと伝えられました。当時の日本は神道を主でしたが、二大勢力とされた神道派物部氏と仏教派蘇我氏の間で争いが起き結果、蘇我氏側が勝利し、日本において公式に仏教が認められたのだそうです。


皆様はご自身の家系がどの宗派にあるかご存じですか? 仏教は鎌倉時代初期までに8宗派になります。8宗とは三論、成実、倶舎、法相、華厳、律の南都六宗と天台宗、真言宗です。さらに、鎌倉時代に法然の浄土宗、親鸞浄土宗の浄土真宗、日蓮の日蓮宗、また、栄西や道元による、禅宗系の臨済宗と曹洞宗など、新たな宗派が出てきたようです。


ちなみに我が家は夫の家系が禅宗 私の父方は浄土宗 母方は浄土真宗、今回は私の母方の祖母が亡くなったので浄土真宗の大谷派での葬儀告別式となりました


浄土真宗は、現世において阿弥陀仏を信じ念仏を唱えれば、誰でも亡くなったら極楽浄土に成仏できるという浄土宗の教え(他力本願)が、強くなった「絶対他力」の教えです。葬儀では、亡くなった人が成仏するための引導や授戒の儀式がありませんでした

浄土真宗の葬儀では、他の宗派のような死装束は用意しません。祖母の場合でも四国巡礼の白衣を着せて、思い入れのあるお着物をかけてあげました。

また、死は「穢れ(ケガレ)」であるとは考えないので、清めの塩も必要なく喪中等の考えもないのだそうです。ぜひご自身のご家庭の宗派など知るのもよい機会ではないかとおもいます。


話が宗派の話になりましたが、今回のお坊様と様々なお話を聞く機会をえて、改めて統合医療でまなんだ仏教思想のご講義を紐解いてみると、供養の意味を考えたとき、こんな講義が思い出されました。


ひとりの人間が世界すべてを正しく把握しきることは不可能だから、何かしらの信じる基準=世界観を持たないと、思考・行為が成立できない。1年前に聞いたお話が今また腑に落ちたように思います。


歴史を紐解くと世界は西洋哲学からの影響を大きく受けてきて、農耕狩猟の時代の民族から、西洋の文化や文明は日本にも入り、現代社会は目に見えるものへの経済社会発展をしてきたように思います

見えるものに対することに心の安定や安心を求める日常があって、言葉選ばず言えば、学歴社会や経済社会地位名誉といった、目に見えるものへの信じる基準を求めてきた背景がったのではと。


そして、死後の世界は生きている間は誰にも見ることができない世界。だから人は死を恐れたり、宗教を信じるのではないかと。


現代病といわれるものや、精神疾患が増えていく時代に合って物質的なものが満たされることが真の幸福なのか?それに疑問を感じる人も増えてきているのではないでしょうか?

予防医療や量子力学的な理論が珍しくない時代にきているのも、そうした背景もあるのではないかと思うのです。


話を戻し、祖母は105歳の大往生でしたが、その背景には、普段からの心の持ちようや生活暮らしがとても質素ながら、心を穏やかに過ごしていた毎日の積み重ねがあったのだと思います。

祖母は105年の人生一度も大きな病気もなく手術入院もありませんでした。


贅沢をすることもなく、季節のお料理。とりわけ毎年子どものころに食べさせてもらったおせち料理がすばらしかったのは子ども心に今でも鮮明に覚えています。

祖母に健康の秘訣を聞くと、心穏やかによく食べよく寝ることよ。なんてお話を毎回聞いていました。


そんな祖母の生き方を振り返りながら、自身の祖母の半分にも満たない50年の人生を振り返るに、いろいろ考えさせられることがたくさんあります。

今、息子の障がいを通して、本当の幸福とは何かを改めて考え学ばせてもらっています。

改めて、戦後激動の時代を生き抜いてきながらも、常に周りに穏やかな心持で接していた、祖母の生き方に感銘をうけたのでした。


LIFESTYLEのお話に移すと、最近関心を持つようになった事。日本の良さを様々な局面で思う事が増えました。今回祖母が和の心を日々の暮らしに生かしていたことも影響を受けたように思います


例えばハーブの世界でも日本にも和ハーブという素晴らしいものがある事。

建築の世界で日本全国に素晴らしい木材があるのにもかかわらず生かし切れていない事。

アロマでは国産の香りがとても素晴らしいものがたくさんあり、例えばローズマリーやラベンダー。日本と海外の物でそれぞれ香りを比べてみると、日本の香りがとても自分に心地よくあっていること。

ほかにも日本の自然。食材などなど。


今インバウンド需要もあり、海外から日本に多くの観光客が訪れていますが、自分たちの歴史を大切にする文化のある方こそ、日本の伝統文化に興味関心が高いのではないでしょうか?

私も茶道の心得がなく、そろそろそうしたこともと思っていた矢先、祖母の形見にいただいた、茶道具がありがたいと思っています。


環境汚染の問題等で日本の食材や土壌汚染問題を突き詰めていけば、日本よりも海外の製品のほうが良い品質のものが得られるという考えもあるかもしれません。ですが、そうした考えそのものに私自身心が豊かにならないと自分で気づきを得ました。

日本の国土や風土を大切にしながら海外とも友好的に向き合う姿勢。


改めて日本の良さを再認識する機会にもなったのです。突き詰めるとその基本は住まいにあり、私自身おうちという空間が、家族との関係が子供から心と体の安定安心につながっていることをおもいます。

自身宗教に対して深い意識があったわけではなく、そういう意味では無宗教といっていいと思います。こんな偉そうに書いておきながら我が家には、仏壇も和室もない家ですし、若いころは和食よりがぜん洋食大好きな人間で、日本文化に興味もありませんでした。

巡り巡って、いま日本の文化の良さをいろんな意味で感じるようになったのは祖母のおかげかもしれませんね。

ハイキングをして自然の景色だけではなく見えない空気感に心が洗われる気持ちになったり、神社にお参りに行き、心が落ち着ちつく気があることを感じられることに幸福があると感じるように。


仏の教えをしっかりと聞く機会はほとんどなかった私ですが、こうして歴史から、人生観から、健康、日々のことに至るまで様々なことを考える良い機会をいただいたように思います。

私も和の心や仏の心も日々のLIFESTYLEの中に身近に取り入れていきたいなと思います。


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